2015-01-01から1年間の記事一覧
ベートーヴェンの「全書」 日常の苦しい闘いを強いられていた時、 ベートーヴェンはその交響曲という騎兵隊のなかで 私を鍛えてくれた隊長であった。 (みすず書房『ロマン・ロラン全集【25】』所収 「第九交響曲」蛯原徳夫・北沢方邦訳 P9) 本書はフラ…
人間共和の実現を夢見て コラはソビエト連邦で有名になりました。 フランスの作家ロマン・ロランの自筆書簡である。1936年6月17日付。生まれ故郷クラムシー在住の編集者ヴィロワン・グレ(Viloin-Goulet)に宛てたもの。自らの小説『コラ・ブルニョン…
先輩作家としての助言 さあ息を吹きかけて、 炎をかき立ててください! ロマン・ロランの自筆書簡である。1928年11月9日付。エコール・ノルマル(高等師範学校)で共に学んだ旧友アンドレ・シュアレスの秘書アリス・カンプマンの自伝的小説『コンスタ…
厳しい作家の温かな批評 真実に目をふさぐことなく 人生を愛することは素晴らしいことです。 それが自分自身の情熱から発したものであり、 人生から流れ出る多くの残酷さや醜さを隠すことがなければ。 フランスの作家アンドレ・シュアレスの自筆書簡である。…
少数に愛された孤高の詩人 ぼくは創造すること、書くことだけが願いなのだ (1888年 ロマン・ロラン宛の手紙 P61) 宇京賴三著『異形の精神 アンドレ・スュアレス評伝』岩波書店 20世紀前半のフランス文学・思想界で重要な役割を果たしながら、正当…
ロマン・ロラン研究所の会報「ユニテ」(42号)に、拙稿を掲載していただいた。 拙稿 ロマン・ロランと自筆蒐集(PDF) ロランには敬愛する人物の自筆を集める趣味があった。ナポレオンの手紙やベートーヴェンの楽譜、ゲーテの水彩画、カントの草稿など…
人類連帯の理想に燃えて いつも私を魅了してきた出版の世界、 そしてフランスのために成すべきことが多くあります。 平和が訪れたらお会いしましょう。 もし平和がいつの日かやってくれば、ですが。 フランスの詩人ルネ・アルコスの自筆書簡である。文芸誌「…
偉大な友に捧げる讃歌 素晴らしい人生は、 生命の炎が燃え続ける限り学ぶことであり、 格闘するすべての魂や、 勇気・希望を鼓舞することである 本書はフランスの詩人ピエール・ジャン・ジューヴの評伝『生きているロマン・ロラン(Romain Rolland vivant 19…
時代の終わりとはじまり ロランは常に我々の先達であり、 魂の慰め手であり、激励する人であった (「編集後記」) 本誌はロマン・ロラン協会の会報「ロマン・ロラン研究」の第1号である。1951年11月に出た。 ロマン・ロラン協会は1951年、当時早…
正視眼で自分自身を生きる どうでもよいようなものは何も書かない、 ということは芸術上の大切な法則のように思われます。 けれどもこの法則ほど守られていないものはありません。 …私は遊びをする人間になりたくはありませんが、 それ以上にお説教をする人…
受け継がれる魂 「友の会」は たとえロマン・ロランと立場を異にする人といえども、 ロランを自分の大きさだけの範囲に限定しない人を、 ロランの精神のうちで自分の思想と一致しない部分を否定したり 抹殺したりしない人を、真の友として迎える。 これはロ…
人生の道づれへのオマージュ 「ロマン・ロランがなしとげた最高の偉業は 人と人とを、心と心を結びつけたことである」 (宮本正清の言葉 P233) 本書はロマン・ロラン協会にゆかりの21人が綴った、ロランへのオマージュである(目次はこちら)。人生を…
内容と外観の美しい調和 真の創造は、たとい最悪の苦悩を 代価として贖(あがな)われようとも、 なお喜びにほかならないのだ (みすず書房『ロマン・ロラン全集【23】』所収 「ベートーヴェン 偉大な創造の時期 エロイカからアパッショナータまで」佐々木…
衰えない創作の熱意 私はまだまだ無謀ですよ。 71歳になって、書きたい作品やアイデアが 10年、20年分もあるのですから。 フランスの作家ロマン・ロランのタイプ原稿である。1937年2月9日、ロランの自宅があったスイス・ヴィルヌーヴで書かれた…
戦乱を超えて輝く真実の星を示す われわれはみな「憎み」から自己を解放し―― 「悪からわれわれを解放し」(libera nos a malo)―― 平和を獲得するために闘わねばならない。 これは各人の、また万人の仕事でなければならない (宮本正清訳『ロマン・ロラン全…
幼い反抗の悲劇 (アエルト)屈辱的な妥協や 卑怯なあきらめは大きらいです (波多野茂弥訳『ロマン・ロラン全集【9】』 所収「アエルト」みすず書房 P189) ロマン・ロランの戯曲『アエルト』である。1898年に「劇芸術評論」から出た初版本で、見…
成熟に20年を要した傑作戯曲 生命の力は死の力より強い (片山敏彦訳『ロマン・ロラン全集【10】』所収 「愛と死との戯れ」みすず書房 P352) ロマン・ロランの戯曲『愛と死との戯れ』の校正刷りである。1925年に出たサブリエ版の校正刷りで、「…
未発表資料含む貴重な写真で生涯たどる 未亡人たちの涙よりは、 馬鹿ものの嘲笑を 背後から浴びるほうがましである (第一次大戦時・P96) みすず書房『ロマン・ロラン全集』(第二次・全35巻)の別巻として出版された『写真集 ロマン・ロラン』は、ロ…
〝欧州の良心〟の生涯をたどる 勇気をおもちなさい、 そして人類が更新されつつあり、 大きな任務が山ほどある 悲劇的な時代に生きていることを、 幸福としてください (ある日本人宛のロランの手紙から P4) 『ロマン・ロラン展』は、〝欧州の良心〟と讃…
友情の果て R・Rはぼくにとって小事件ではなかった フランスの作家ロマン・ロランと、ロランに見いだされたルーマニア生まれの仏語作家パナイト・イストラティの自筆である。1926年4月24日付で、イストラティの妻アンナに宛てたもの。当時ロランが…
父親のような愛情 世界をあるがままに見て 愛そうとしている(なかなかうまくいかないが!) ひとりの男へ 友情をこめて 1921年にオランドルフ社から出た『ロマン・ロラン選文集』の第1巻である。ロランが才能を見いだし、世に送り出した作家パナイト・…
ユニテに導く未来の書 この世界が苦しんでいる最悪の不幸は、 わたしが繰り返し繰り返し言ったように、 邪悪な人々の力ではなく、 最良の人々の弱さなのである(中略) もう自分自身で考えるべきではない、 ひっぱって行ってもらおう……。 この放棄こそ、すべ…
憎しみを超えて人間性救う 私は一年このかた非常に多くの敵を見出した。 私は彼らに次のことを言いたい―― 彼らは私を憎むことはできようが、 私に憎しみを教えることはできないであろう。 私は彼らに用はない。私の務めは、 私が正しく人間的(ユマン)だと…
孤独な作家を支えた声 自己の確信と人間的な友愛への理想とに 忠実であり続けている労働者の間で、 あなたの言葉が深い反響を呼び覚ましたことを断言します。 フランスの作家ロマン・ロランが第1次大戦中に書き記していた「戦時の日記」の一葉である。ロラ…
初めての結婚と離婚 私は芸術への意欲を持っています(中略) どうかこの芸術への意欲を 打毀(うちこわ)さないように、 むしろそれを仕遂げるために 私に力を借して下さるようにお願い致します (加藤行立訳「ロマン・ロラン研究【31】」ロマン・ロラン…
戦いの記録 私のフランスの友人の一人が、 小冊子「戦いを超えて」の発行に 力を尽くしてくれています。 フランスの作家ロマン・ロランの自筆書簡である。1915年1月6日付。国際赤十字の便箋に書かれている。 1914年7月、第一次世界大戦が勃発。ス…
ジャンを偲んで 私にとっては1年に1度の つらい日がまた来てしまうという気持ちです。 フランスの作家ロマン・ロランが、22歳で亡くなった愛弟子ジャン・ド・サン=プリの母親に宛てた自筆書簡である。ジャンの死から1年後の1920年2月17日付。ま…
愛弟子に捧ぐ 私たちのジャンは、 すべての卑俗なものを超えています フランスの作家ロマン・ロランの自筆書簡である。彼の愛弟子で夭逝したジャン・ド・サン=プリの書簡集にロランが序文を書くかどうかについて、ジャンの弟ピエールとやり取りしている。 …
愛弟子との出会いと別れ ジャンへの愛情はこれ以後、 わたしたちにとって絆です! わたしはわたしの内面生活において 親愛なかわいい道づれに場所を保つでしょう。 フランスの作家ロマン・ロランが唯一、自らの「愛弟子」と呼んだ人にジャン・ド・サン=プリ…
人類の未来への危惧 政治的にも社会的にも、 本当の世界の歴史とは 人類の進化の歴史なのです 1925年4月22日に書かれたロマン・ロラン自筆の手紙である。歴史家のマルセル・ベカス※に宛てたもので発信地はスイスのヴィルヌーヴ。ベカスがロランに送っ…