2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧
高貴で悲劇的な友情 ルイ・ジレとロマン・ロランの往復書簡は、 2人の偉大な人物と偉大な心情との素晴らしい物語だ。 それは友愛と人間性の教えとなり、希望となるだろう。 フランスの作家アンドレ・モロワの自筆原稿である。カイエ・ロマン・ロランの第2…
書簡集の面白さ 年齢を重ね、読書に励むにつれ、 往復書簡や回想録をより好むようになってきた。 偉大な作家でさえ、 自身の内面を書き記すことに成功した小説を 多くは残していないからだ。 ロマン・ロランのこれらの手紙が 『ジャン=クリストフ』に優ると…
青年との共闘 お金の持つ巨大な力や人間の金欲が、 一方では富裕層などの良心を腐敗させ、 他方では貧困層などを自暴自棄や犯罪へ駆り立てています。 ここイタリアが、その惨憺たる例です。 戦いましょう! 私はそう長くはお役に立てないでしょう。 しかし、…
慈愛に満ちた励まし あなたなら確固たる意志と力で、 この雑誌の精神的な意義を高めてくれることでしょう。 現代の論壇にはびこるどうしようもない現実主義との戦いにおいて、 私たちを勝利へ導く強靭な武器になってくれると信じています。 ドイツの女流作家…
賢者の魂を宿した女性の生涯 マルヴィーダは最も広い意味で深く宗教的な性質の人であった。 自然の美しさと、最も純粋な、最高の成果における芸術と、 愛や友情からのいろいろな啓示は彼女の心を敬虔にした。 彼女の晩年の日記に次のようなことばを私たちは…
世代も性別も国籍も超えた魂の交流 あなたは若いのです。 戦いは必ずやって来るでしょう。 人生は高貴な魂をもって前進する者には 戦いを免除しません (ロラン宛のマルヴィーダの手紙から P56) 『ロラン=マルヴィーダ往復書簡』は、フランスの作家ロマ…
生きる勇気が湧いてくる一冊 彼は自己に課せられていると感じた義務について しばしば語っている、それは自己の芸術を通じて 「不幸な人類のため」「未来の人類のため」に働き、 人類に善行をいたし、人類に勇気を鼓舞し、 その眠りを揺り覚まし、その卑怯さ…
ロランを人生の道づれに選んだ、 あるいはこれから選ぶだろう精神的兄弟たちに フランスの作家ロマン・ロラン(1866~1944)に関する情報を発信するブログです。戦中・戦後の混乱期に幼年時代を過ごした人々の間では、ロランは必読書だったそうです…
師弟の薫陶 きみはけっして苦しみに事欠かないだろう! 一年の最初の数ヵ月は冬のうちもっとも厳しい。 しかし春はすぐそこにある。 きみは春をわがものとするだろう! (ロラン 1934年11月23日付 P298) みすず書房『ロマン・ロラン全集』の第…
政治と芸術のエセー 人生は進歩のための、 前進のための絶えざる闘いです(P68) みすず書房『ロマン・ロラン全集』の第19巻はエセーⅡとして、政治論Ⅱ(1935~1944)と芸術論(1891~1940)を収める。具体的な収録内容は次の通り。 【…
若き日の日記と記録 自分がもはや誰かの生徒でなくなり、 他人の思想ではもはや満足できず、 自由に、完全に自己であろうと欲するときには、 理解されなくても不平を言ってはならない(中略) 行動したまえ、君の内部にまどろんでいる世界を実現したまえ。 …