マルヴィーダ・フォン・マイゼンブーク自筆書簡【1】
慈愛に満ちた励まし
あなたなら確固たる意志と力で、
この雑誌の精神的な意義を高めてくれることでしょう。
現代の論壇にはびこるどうしようもない現実主義との戦いにおいて、
私たちを勝利へ導く強靭な武器になってくれると信じています。
ドイツの女流作家マルヴィーダ・フォン・マイゼンブークの自筆書簡である。1894年12月16日にローマで書かれたもので、作家ヒューゴー・アストゥル・レオンハルト(Hugo Astl-Leonhard:1870~1900)宛。雑誌を創刊したレオンハルトから協力を求められたことへの返書とみられる。当時マルヴィーダは78歳。寄稿と支援を約束するとともに、青年作家へ慈愛に満ちた励ましを贈っている。
「すでに購読したいと申し出てくれている女性がいます。
高名な人たちの中にも興味を持ってくれている人がいます」
「私を信じてください。
このような雑誌を求める声は必ずあります。
もし崇高な精神が、
今にも滅びそうなドイツ精神の生命を救うために結束しないなら、
人生を価値あらしめる文化に対して
言語道断の不正を犯すことになるでしょう。
あなたが私に賛同してくれるなら、私はいつでも一緒に戦います」