ロマン・ロランと生きる

フランスの作家ロマン・ロラン(1866~1944)に関する情報を発信するブログです。戦中・戦後の混乱期に幼年時代を過ごした人々の間では、ロランは必読書だったそうです。人生の師と仰ぐ人も少なくありません。現代の若者にはあまり読まれていないようですが、ロランと同じ精神の家系に属している人は少なからずいるはず。本ブログがロランの精神的兄弟たちを結び付ける場になれば幸いです。

2015-09-22から1日間の記事一覧

アンドレ・モロワ自筆原稿【2】ロマン・ロランの手紙②

高貴で悲劇的な友情 ルイ・ジレとロマン・ロランの往復書簡は、 2人の偉大な人物と偉大な心情との素晴らしい物語だ。 それは友愛と人間性の教えとなり、希望となるだろう。 フランスの作家アンドレ・モロワの自筆原稿である。カイエ・ロマン・ロランの第2…

アンドレ・モロワ自筆原稿【1】「ロマン・ロランの手紙」

書簡集の面白さ 年齢を重ね、読書に励むにつれ、 往復書簡や回想録をより好むようになってきた。 偉大な作家でさえ、 自身の内面を書き記すことに成功した小説を 多くは残していないからだ。 ロマン・ロランのこれらの手紙が 『ジャン=クリストフ』に優ると…

マルヴィーダ・フォン・マイゼンブーク自筆書簡【2】

青年との共闘 お金の持つ巨大な力や人間の金欲が、 一方では富裕層などの良心を腐敗させ、 他方では貧困層などを自暴自棄や犯罪へ駆り立てています。 ここイタリアが、その惨憺たる例です。 戦いましょう! 私はそう長くはお役に立てないでしょう。 しかし、…

マルヴィーダ・フォン・マイゼンブーク自筆書簡【1】

慈愛に満ちた励まし あなたなら確固たる意志と力で、 この雑誌の精神的な意義を高めてくれることでしょう。 現代の論壇にはびこるどうしようもない現実主義との戦いにおいて、 私たちを勝利へ導く強靭な武器になってくれると信じています。 ドイツの女流作家…

シュライヘア著/片山敏彦訳『マルヴィーダ・フォン・マイゼンブーク』みすず書房

賢者の魂を宿した女性の生涯 マルヴィーダは最も広い意味で深く宗教的な性質の人であった。 自然の美しさと、最も純粋な、最高の成果における芸術と、 愛や友情からのいろいろな啓示は彼女の心を敬虔にした。 彼女の晩年の日記に次のようなことばを私たちは…