ロマン・ロランと生きる

フランスの作家ロマン・ロラン(1866~1944)に関する情報を発信するブログです。戦中・戦後の混乱期に幼年時代を過ごした人々の間では、ロランは必読書だったそうです。人生の師と仰ぐ人も少なくありません。現代の若者にはあまり読まれていないようですが、ロランと同じ精神の家系に属している人は少なからずいるはず。本ブログがロランの精神的兄弟たちを結び付ける場になれば幸いです。

ロマン・ロラン自筆書簡【13】サン=プリ家⑤


痛みを分かつ

あなたとともに
今は亡き人(ずっと心の中にいる)に
語りかけております


フランスの作家ロマン・ロランの自筆書簡である。1921年1月2日付。愛弟子ジャン・ド・サン=プリの母に宛てたもの。ジャンは1919年2月18日、スペイン風邪により22歳の若さで世を去った。それから約2年。第一次世界大戦終結したものの、癒えない悲しみは続いた。

【意訳】
私たちのように、大切な人の素晴らしい思い出と
悲しい思い出を抱えている者にとって、日々は憂鬱です。
しかし、私はいつもあなたと同じ気持ちでおりますし、
あなたとともに今は亡き人(ずっと心の中にいる)に
語りかけております。どうぞご自愛ください(後略)