ロマン・ロラン自筆書簡【2】
生涯にわたる青年期の体験
ローマの影響は
私の全作品におよんでいる
1925年7月1日、某氏宛に書かれたロマン・ロラン自筆の手紙である。ロランは1889~1891年までイタリア・ローマに留学したが、その際に啓発を受けて書かれた論文等のリストを書き送っている。
「ローマで過ごした日々の輝きは、
私の全作品に計り知れない影響をおよぼしています」
と綴られているのが印象的。23~25歳という青年期に体験したローマが、生涯にわたる影響を残したことが分かる。
リストに掲載されている作品の一つ、
学位論文『近代叙情劇の起源』(1895年刊・筆者所有)