ロマン・ロランと生きる

フランスの作家ロマン・ロラン(1866~1944)に関する情報を発信するブログです。戦中・戦後の混乱期に幼年時代を過ごした人々の間では、ロランは必読書だったそうです。人生の師と仰ぐ人も少なくありません。現代の若者にはあまり読まれていないようですが、ロランと同じ精神の家系に属している人は少なからずいるはず。本ブログがロランの精神的兄弟たちを結び付ける場になれば幸いです。

ロマン・ロラン自筆書簡【2】


生涯にわたる青年期の体験

ローマの影響は
私の全作品におよんでいる


1925年7月1日、某氏宛に書かれたロマン・ロラン自筆の手紙である。ロランは1889~1891年までイタリア・ローマに留学したが、その際に啓発を受けて書かれた論文等のリストを書き送っている。

「ローマで過ごした日々の輝きは、
私の全作品に計り知れない影響をおよぼしています」

と綴られているのが印象的。23~25歳という青年期に体験したローマが、生涯にわたる影響を残したことが分かる。


リストに掲載されている作品の一つ、
学位論文『近代叙情劇の起源』(1895年刊・筆者所有)