ロマン・ロランと生きる

フランスの作家ロマン・ロラン(1866~1944)に関する情報を発信するブログです。戦中・戦後の混乱期に幼年時代を過ごした人々の間では、ロランは必読書だったそうです。人生の師と仰ぐ人も少なくありません。現代の若者にはあまり読まれていないようですが、ロランと同じ精神の家系に属している人は少なからずいるはず。本ブログがロランの精神的兄弟たちを結び付ける場になれば幸いです。

ロマン・ロラン自筆書簡【1】


若きジャーナリストへの手紙

私の行動と作品こそ
非難に対する唯一の答えだ


1930年4月22日に書かれたロマン・ロラン自筆の手紙である。若きジャーナリスト Georges Altman に宛てたもの。

「私は15年前から、
辛辣に批判されようと知らん顔をすることにしています。
私の行動と作品こそ、そうした非難への唯一の回答です。
しかし正直に申し上げると、時折、何人かの友人が
辛辣な批判を鎮めてくれるのをありがたく思っています。
あなたの力強い記事にも心から感謝申し上げます。
私は不和を厭いません。
私が愛するのは誠実で雄々しい批判です。
悪意のある凡庸な批判は
フランス人の平均的精神とでも言うべきもので、とても失望します。
『広場の市!』など、私にはおなじみです…」

等と心情を綴っている。


Georges Altman は1901年生まれ。ユマニテ」誌の編集などに携わり、対独レジスタンスの闘士としても活動。戦後はサルトルやメルロ・ポンティ、アンドレ・ブルトンなども関わった超党派政治団体「革命民主連合(RDR)」の創設に参加した。